近年、日本では建設や医療や物流など多くの分野で人手不足が深刻化しており、外国人ワーカーへの需要が増加しています。この課題を解決するため、ケニアと日本が連携し、ケニア人ワーカーの日本派遣プロジェクトを商船三井ケニア事務所および東京本社とLaMP(Labor Mobility Partnership)との連携で立ち上げました。本記事では、このプロジェクトの背景や意義、ケニア人ワーカーの可能性についてご紹介します。

プロジェクトの背景:日本とケニアの現状
     ケニアでは2023年には15~34歳の失業率が67%とも言われ、多くの若者が教育を受けたにもかかわらず仕事を見つけるのが難しい状況が続いています。一方、日本では高齢化が進み、労働力不足が経済や社会に大きな影響を及ぼしています。特に建設、医療、物流、サービス業、さらに国際開発とITなどの分野での労働力確保が課題となっています。「日本の地方では農機整備士が不足している」ことを懸念していたパートナー企業の社長から相談されたことをきっかけにしてこのプロジェクトを立ち上げました。
     当社では、外国人船員育成で長年培った経験と知見を活かし、外国人人材の新規採用や採用拡大を検討している企業に対し、船員以外の幅広い業種・職種の人材育成と紹介を行う外国人人材コンサルティング事業を2020年より展開しました。これまで船員以外の分野でも150名以上の外国人ワーカーと日本企業のかけ橋になってきた経験をもとに、このプロジェクトも自信を持って進めることができます。
なぜケニアなのか?
このプロジェクトは、ケニア人ワーカーのプロジェクトです。なぜケニアなのか?その理由として、以下の特長が挙げられます:
優れた教育とスキル
ケニアでは高等教育機関への進学率が高く、多くの若者が大学や職業学校で専門スキルを身につけています。STEM(科学、技術、工学、数学)分野の教育も充実しており、技術者や専門職としての可能性を秘めています。
高い言語能力
ケニア人は一般的に英語、スワヒリ語、部族語の3言語を流暢に使いこなす能力があり、新しい言語の習得にも優れています。日本語教育を受けたワーカーは、文化と言語の壁を乗り越えて日本の職場で活躍することが期待されます。
明るくマジメな性格
ケニア人は、一般的に明るく親切です。知らない人同士でも助け合うのが当たり前という文化があります。(もちろん人にもよりますが、)マジメで協調性がある人も多く、2024年に当社の東京本社でケニア人のインターンを受け入れた際にはとても評判が良かったです。
日本との強い関係
日本はケニアに対して多額の経済協力を行い、ケニアはアフリカ最大級のODA供与国となっています。多くの日本企業がケニアに進出しており、経済的・文化的な結びつきが強化されています。JETROの調査による進出日系企業数は、アフリカの中で南アに次ぐ第2位の116社に上ります。

プロジェクトパートナー
LaMP: NPO団体、プロジェクトマネジメント・資金調達
SilverRay HR: 人材紹介会社、候補者の調達・審査
KIFLAPS: 外国語学校、人材の日本語・日本文化トレーニング
プロジェクトの概要
プロジェクトのステップ
- 日本企業へのプロジェクト紹介
- 関心を持ってくれた企業から需要調査
- パートナー人材会社での候補者調達

プロジェクトのタイムライン
2025年1月: 候補者選抜
2025年3月~: 日本語教育およびスキルアップ研修
2025年6月~: 日本企業への派遣

在留資格ビザ
外国人ワーカーは技能実習ビザ、特定技能ビザ、技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザなどを通じて日本での就業が可能となりますが、本プロジェクトのミニパイロットはまず技人国ビザで実施し、将来的には技能実習ビザと特定技能ビザもプロジェクトに取り入れる予定です。


期待される効果と未来
     ケニア人ワーカーの日本での活躍は、単に労働力としての貢献に留まりません。日本で得た経験やスキルを持ち帰ることで、日本企業のケニア国内での事業展開につながります。また、受入れる日本企業における多文化環境は、日本企業にとってもグローバル化の推進や社員の多様性向上につながるでしょう。
このプロジェクトは、ケニアと日本の間に新たな架け橋を築き、両国の未来を切り開く重要な一歩です。人財と文化が交わることで、どのような新しい可能性が生まれるのか、今後の展開に期待が高まります。
本プロジェクトに興味のある方は [email protected]までご連絡ください。