当社は、三井海洋開発、三井物産、丸紅、三井E&Sホ-ルディングスとともにT.E.N. Ghana MV 25 B.V.社(以下「MV25社」)に出資し(当社持分は20%)、ガーナ沖T.E.N. (Tweneboa, Enyenra, Ntomme)油田向け大水深対応FPSO(註1)の長期傭船事業(以下「本案件」)を行っています。
MV25社は、ガーナ共和国西部の沖合約60kmに位置するDeepwater Tano地区のT.E.N.鉱区のオペレーターであるTullow Ghana Limited社向けに、FPSO(註1)1基のリース及び運転・保守点検等のオペレーションサービスを提供しています。同国前大統領にちなんで“FPSO Prof. John Evans Atta Mills”と命名された本FPSOは、水深約1,500mの海上に係留され、2016年から原油および天然ガスを生産しています。
(註1)Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備写真提供:三井海洋開発
商船三井は、タンカーやLNG船によるエネルギー輸送分野で積み重ねた経験を活かし、今後さらなる成長が見込まれる事業に積極的に取り組んでいます。船を輸送のためではなく特定の場所に浮かべて活用するFPSO(Floating Production, Storage and Offloading system、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)が商船三井の代表的なオフショア事業です。
2010年に参入したFPSO事業では、現在ブラジル沖で9件、ガーナ沖で1件、メキシコで1件のプロジェクトに参加しています。また、2016年には海底石油・ガス田向けに海底設備の設置・保守・修理・撤去作業を行うサブシー支援船事業、2019年にはFPSOから原油タンカーへ直接原油を積み替えることを可能とするCTV(Cargo Transfer Vessel)事業にそれぞれ参画し、2023年にはFPSO事業におけるパートナーである三井海洋開発株式会社による第三者割当増資に応じ同社の14.86 %株式を取得しました。
また、2021年には液化CO2海上輸送事業に参画しました。液化CO2海上輸送はCCUS(Carbon dioxide Capture Utilisation and Storage)バリューチェーンの中で回収地と貯留地(もしくは有効利用地)を効率的に結ぶ手段の一つとして重要な役割を担います。船型大型化の検討にも取り組むと共に、CCUS事業バリューチェーンの上流・下流への事業拡大を目指しています。